<手順>
①
深さのある耐熱性の容器(金属以外のボウルやどんぶりなど)に、マスクとコップ2杯分の熱湯(98℃以上)、洗剤を数滴入れます。
マスク全体が熱湯に浸るよう、箸などを使ってマスクを沈めてください。

※
洗剤は除菌力のある洗剤がよりベターです。
マスクに付着した口紅やファンデーションも取れやすくなります。
(マスクに口紅などの汚れがついている場合は、①の前に洗剤を入れた容器にマスクをつけ込み、押し洗いするなど与洗いを行ってください。)
※
複数枚マスクを同時に入れる場合は、マスク全体がお湯に浸っていることを確認してください。

※
ノーズフィッター(針金)のあるマスクを入れる際は、必ず
(1)
ノーズフィッターのある側が容器の底面側に向いてること
(2)
ノーズフィッター部分がお湯に浸かっていること
の2点を確認してください。
②
④
沸騰したら10秒以内に電子レンジの加熱を止めます。
電子レンジの扉を開けずに、電子レンジの庫内で10分間放置してください。
※
耐熱容器にかけたラップがぴったりと密着していれば、しっかり加熱できています。
⑤
⑦
耐熱容器からマスクを取り出します。
⑧
⑨
マスクの形を整えて干します。
Q&A
- Q1.使い切りタイプのマスク(サージカルマスク)も洗えますか?
-
A1.
使い切りタイプのマスクは表面に不織布を使用し、不織布と不織布の間にフィルターの役割をする層(メルトブローン不織布)を挟んだ三層構造のものが多いようです。
もみ洗いをすると、このフィルターが損傷する場合があるので汚れを取るときはやさしく押し洗いし、清潔なタオルで挟んで水分を取ってください。※
洗って繰り返し使える表記の無いマスクでは、洗うことは推奨されていませんが、マスク不足などでやむを得ず再利用する場合を想定しています。
再利用される場合は、あくまでも咳エチケット・濃厚な接触感染や直接鼻や口に触れる頻度を減らすための使用であることをご理解ください。 - Q2.布製マスクであれば、もみ洗いしてもいいですか?
-
A2.
布製マスクは、薄いガーゼを十数枚重ねた層にして縫製しているため、もみ洗いをするとガーゼが破損したり、よれてしまう可能性があります。
マスクはやさしく押し洗いする方がよいでしょう。 - Q3.マスクを複数枚除菌する場合は、何枚までを目安とすればいいですか?
-
A3.
使用する耐熱性の容器の大きさ、深さによりますが、不織布マスクであれば8~10枚くらいを同時に加熱できることを確認しております。
(財団スタッフの中には径17㎝×高さ9㎝のどんぶりを使用し、12枚同時に洗えたという報告も…。)
複数枚除菌を行う際は、①マスク全体が熱湯に浸かっていること ②ノーズフィッター(針金)のあるマスクの場合は、ノーズフィッター部分が水面からでていないこと(しっかりと熱湯に浸かっていること)を確認して行ってください。※
他の人のマスクとは一緒に洗わないようにしてください。
- Q4.このマスクの洗い方は、新型コロナウイルスに有効でしょうか?
-
A4.
コロナウイルスはエンベロープ(脂質とタンパク質で構成される膜)をもつウイルスのため、【80℃/10分以上】で不活性化します。
マスク全体、中心部まで、これ以上の温度を保つことが必要です。
この方法では、加熱後に庫内で10分以上放置します。
庫内から取り出した直後の温度は80℃以上を保っていることを確認しております。
(使用する容器や湯量、周囲の温度等によっては、これ以下になることもあります) - Q5.何回くらい洗って使えますか?
-
A5.
マスクの再利用については、諸説あり、3~5回までとするものもありますが、滅菌や洗浄方法の違いなどで異なります。
マスクの種類や材質にもよりますが、この方法で、当財団のスタッフが21回洗浄したマスク複数枚を顕微鏡チェックやフィルターテストしたところ、ほとんどガーゼや不織布フィルターの破損などは見られませんでした。
(※マスクとしての効果を保証したものではありません)
ただし、全体としてやや毛羽立ってきており、かつ耳にかけるゴムが緩くなっていることは共通して確認しております。
ゴムを結ぶなどして短くしたり、ゴムの交換などをすれば、問題なく継続して使用できています。
また、複数回洗浄した不織布マスクではマスクの横サイド(プリーツが重なり圧着してある部分)の圧着が剥がれる場合もありますが、剥がれた箇所を接着剤や縫うことで、咳エチケット用に十分使用できます。※
洗って繰り返し使える表記の無いマスクでは、洗うことは推奨されていませんが、マスク不足などでやむを得ず再利用する場合を想定しています。
(再利用される場合は、あくまでも咳エチケット・濃厚な接触感染や直接鼻や口に触れる頻度を減らすための使用であることをご理解ください。) - Q6. うまく加熱できているかわかりません。しっかり加熱できたかの目安はありますか?
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A6.
加熱時、電子レンジの庫内でシューッと蒸気がでてから(沸騰してから)10秒以内に加熱を止めてください。
加熱後10分経った際、耐熱容器にかけたラップがぴったりと密着し、ラップの中央部がやや凹んでいれば、しっかり加熱できていると考えてよいでしょう。
(図①)ただし、ラップに爪楊枝などで穴を開けたり、耐熱容器とラップや蓋の間に隙間があると、図①のようにはなりません。
(図②)※
図②は加熱前、ラップに爪楊枝で穴を開けてから加熱したものです。
沸騰後10秒以内に電子レンジの加熱を止め、庫内に10分静置した後の湯温は80℃以上でした。
(使用する容器や湯量、周囲の温度等によっては、これ以下になることもあります)※
使用するラップの材質、使用している可塑剤によって加熱後のラップの状態や加熱時間は異なりますので、あくまで目安としてください。
- Q7.ノーズフィッター(針金)のあるマスクを電子レンジにかけると発火すると聞きましたが、大丈夫でしょうか?
-
A7.
電子レンジは、電子レンジからでる電磁波(マイクロ波)が食材や水などの水分子を振動させ、この時に発生するエネルギー(熱)により加熱を行います。
金属を電子レンジで加熱すると、金属部分に電磁波のエネルギーが集中し、非常に早く過剰に加熱され、発火が起こります。
しかし、金属と共に十分な量の水があれば、水分子が動き回れるので、水分子に電磁波のエネルギーが吸収されます。
物質中のエネルギーが水の温度上昇や、沸騰に使われ、金属部分が必要以上に加熱されないため、出火するケースは極めて少なくなります。この方法では、 ノーズフィッター(針金)が熱湯(水)に浸っていることが重要になります。
加熱しても、水に電磁波のエネルギーが奪われ、水温上昇、沸騰することでそれ以上高い温度にならない。
よって出火する心配がなくなります。(補足)
1気圧で100℃のときの水の気化熱は、1g(1㏄)あたり539calですので、蒸発することでかなりの加熱された電磁波のエネルギーを吸収できます。
ノーズフィッター部分が水に浸かった状態でも、必要以上の加熱をすれば出火する可能性も考えられますが、この方法では「沸騰後10秒以内に加熱を止める」としてあるのでこの場合には該当しないでしょう。
各メーカー、異なる機種の電子レンジ15~16種類で当方法を試しましたが、現在のところ出火したケースは確認しておりません。◎
必ず、電子レンジでの加熱中は庫内を目視にて確認し、異常があればすぐに加熱を停止してください。